一般社団法人セッションハウス企画室 始動 …コンテンポラリーダンス、ライブ公演の継続のために

演劇ニュース

セッションハウス企画室からのお知らせです!!

東京・神楽坂の地でコンテンポラリーダンス普及に注力してまいりましたセッションハウス企画室は2022年2月に一般社団法人の法人格を得ました。そして、法人化を記念し、記念企画のプロジェクトが始動します。

団体はコンテンポラリーダンススタジオとして1991年4月誕生。
現在も参加者完全公募制、セッションハウスダンスクラス受講生参加型そしてプロデュース公演と年間40公演ちかくを制作。多くのアーティストが集結している。

そして、コロナ禍、無観客インターネット配信上演(「セッションオンライン劇場」)を開始。2022年2月、公演環境に機動的・継続的に対応するため法人格を取得。「一般社団法人セッションハウス企画室」となる。

同年主催プロジェクト第一弾始動。

セッションハウス企画室 法人化記念企画
ダンスのプロジェクト– 時代をつなぐ「家族の今昔物語」–
2年続く感染症流行は人のコミュニケーションの機会を削ぎ、劇場公演を活動の主としてきた表現者は、集客できず活動継続の危機にさらされた。一方舞台鑑賞者たちもその場を失われ文化的活動を失った人々は大小影響を被っている。
行動制限が緩和されつつある2022年、表現者と観客が作品を介して双方向に考えを共有する場を改めてつくりだすことが急務である。コロナ禍で形を変えながらダンス公演を続けてきたセッションハウス企画室の目の前の大きな課題でもある。
人の動く体と、それを見た人の動く心…ふたつの呼応を生み出す力は、人の体=生命に対するリスペクトであり、祈りである。このような意をこめて、本企画名は【ダンスの力プロジェクト】と名づけられた。
今回のプロジェクトでは3組の表現者が、各自のリアルな「家族」を基に作品を創出する。
身近な存在「家族」の様々なありようと今に至るドラマをダイレクトに感じられる3作となっている。
また配信回をもうけ、初めての鑑賞者にはアクセスしやすさ、リピーターにはアーカイブ配信のフォローとしている。
◆「写真花嫁」としてアメリカに渡り移民として暮らした祖母の物語。
タイトル:『女は、旅である。』[ⅰ] 『赤い花白い花』[ⅱ]
公演日時:2022年7月23日(土)16時/19時30分、24日(日)14時/18時 [全4回]
会場:神楽坂セッションハウス(東京都新宿区158)
料金:劇場観覧3,500円/配信観覧1,500円タイトル:『女は、旅である。』[ⅰ]  『女の旅と神話の始まり』[ⅲ]
公演日時:2022年8月27日 (土)18時30分 [全1回]
会場:田並劇場(和歌山県東牟婁郡串本町田並1547)
料金:2,500円
振付:伊藤直子
出演:[ⅰ]マドモアゼル・シネマ(竹之下たまみ、蓮子奈津美、中島詩織、秋元麻友子、佐藤郁、仲野朱音)
[ⅱ]マドモアゼル・シネマ+江口力斗、古茂田梨乃、櫻井拓斗、高橋志帆、望月崇博
[ⅲ]マドモアゼル・シネマ+坪内一家(坪内あつし、菜央)
衣裳:原田松野/美術:くに若尾

 ◆ダンサーの夫とともに歩いた母の50年。家族の喜怒哀楽の物語。
公演日時:2022年8月7日(日)17時 [全1回]
タイトル:『喜びの詩』
構成・演出・振付:笠井瑞丈
出演:笠井瑞丈 笠井禮示 上村なおか 浅見裕子 笠井叡/ 笠井久子(朗読)/ピアノ 島岡多恵子
映像写真:笠井爾示
会場:神楽坂セッションハウス(東京都新宿区158)
料金:劇場観覧4,000円/配信観覧1,500円
◆ 学徒出陣で沖縄戦線を戦った祖父の回想録をたどる物語。
公演日時:2022年8月13日(土)15時/19時、14日(日)15時 [全3回]
タイトル:『アーカーシャのうた〜鯨井巖著「一学徒兵の北部沖縄戦回想録」〜』
構成・演出・振付:鯨井謙太郒
出演:鯨井謙太郒/野口泉/定方まこと(語り)/ 堅田優衣(指揮・音楽監督)/Noema Noesis ensemble関根歩・佐々木彩花・大嶋めぐ美・干田美鈴・小林なつ美・吉村正恵・豊岡祥・椎名淳史・松浦寿光・菊地亮(合唱)/鯨井絵里加(三線)
映像:富田真人
衣裳:富永美夏
テキスト 鯨井巖 著『一学徒兵の北部沖縄戦回想録
会場:神楽坂セッションハウス(東京都新宿区158)
料金:劇場観覧3,500円/配信観覧1,500円

『女は、旅である。』

“私は海を渡って花嫁になりました。もう100年も前のことです”
『女は、旅である。–海を渡る・海を戻る–』より(2017年初演)
振付・伊藤直子の祖母ふみの実話。写真花嫁としてアメリカに渡った一人の女性。夫を亡くし日本に帰国。子供を預けて再度渡米。貧しかった日本の女性が一人で子供を育てる術として移民となった時代を語るダンス物語。
演出の変更
二部作の内『赤い花・白い花』は2003年初演でフランスのアヴィニョン演劇祭やエチオピア等世界各地で公演を行ったマドモアゼル・シネマの代表作であるが、今回初めて若手ダンサーとして3名の男性ダンサーを起用することとした。日本人女性ならではの特徴を活かしたダンスを男性ダンサーの力強い肉体で踊ることで、作品の新たな魅力を引き出す事とする。
また、『女は、旅である』は2017年初演で当初は女優の大方斐紗子による朗読の中での上演であったが、今回はマドモアゼル・シネマのダンサーが踊りながら朗読する。ダンスシアター…ダンスと言葉をシームレスに行き来する

祖母の実話を俳優の声のみで、アメリカ人作家ジュリー・オオツカの写真花嫁を書いた著書の断片をダンサーが踊りながら朗読する、ダンスと言葉による表現を創出。

テキスト「屋根裏の仏さま」(ジュリー・オオツカ著/岩本正恵・小竹由美子訳)
特別な場所で他分野とのコラボレーション
和歌山県串本の田並劇場は、アメリカに渡り移民となり暮らした人々が故郷へ感謝として贈った元映画館。廃墟になっていた建物をアーティスト夫妻が修復し再建。現在過疎化の進む地域の劇場として様々な活動を展開。100年の時代を遡るダンス物語としてその子孫、土地の人々に届ける。

『女は、旅である。』の上演と共に音楽家家族「坪内一家」と共演、「女の旅路と神話の始まり」として田並劇場と協働。現地でのクリエーションを通してその地で生まれる音楽とダンスを創作、セッション。新しい神話として地元の観客に提示する。(わかやま市民生協「2022年度地域コミュニティ支援補助金」)
若手の起用…レパートリー作品『赤い花白い花』から抜粋したショートバージョン。
東京公演では日本列島を駆け上る桜前線を舞踊化。男女共に若手ダンサーを起用。女性性を踊るカンパニーが共にジェンダーを超えた身体表現に挑戦する。
観客との交流
公演時のカーテンコールをスマホ等での撮影タイムとして観客との交流を行い、SNSでの情報拡散を共有する。

マドモアゼル・シネマプロフィール
セッションハウスのレジデンスカンパニーとして1993年設立。女性の身体性と記憶をたどるダンスシアター「旅するダンス」を国内外に届けている。

2008年文化庁芸術祭新人賞受賞(振付伊藤直子)
2011年ポーランドグリフィノ国際演劇祭観客賞受賞

『喜びの詩』
コロナという未知のウイルスによって世のなかの状況は一変。人と人との距離、劇場での舞台芸術のあり方、様々なものが新しい形に変わり、様々なものが失われました。変化せざるを得ない時代に普遍的なもの提示する、今はそれが大切だと考えます。日本の舞踏創成期の幕開けを担ってきた笠井叡。その笠井叡を父に共にダンスに生きてきた家族のあり様を普遍性として提示する、個から普遍への「家族の物語」として創出。
2020年『世界の終わりに四つの矢を放つ』
2021年『霧の彼方』
2022年『喜びの詩』
本作は、コロナ禍を踊り続けた家族の物語三部作の最終章。
笠井家
笠井叡(父・舞踊家)、笠井久子(母)、笠井禮示(次男・オイリュトミー)、浅見裕子(義姉・オイリュトミー・舞踊)、)笠井瑞丈(三男・舞踊家)、上村なおか(妻・舞踊家)、笠井爾示(長兄・写真家)
作品テキストは母 笠井久子日記より。笠井瑞丈(構成・演出・振付)プロフィール
2010年横浜ソロ×テュオ・コンペティション+審査員特別賞受賞
2017年大12回日本ダンスフォーラム小受賞
平成20年度文化庁新進芸術家海外留学研修員としてニューヨークで1年間研修
他分野とのコラボレーション
❶兄であり写真家でもある笠井爾示の写真を舞台美術として動画に作成、使用。
❷ピアニスト島岡多恵子を迎えての生演奏とのコラボレーション。
舞台への理解を深めるためのワークショップを公演前に開催。
使用テクニックや要素の体験から、体や作品への興味を引き出し、観る楽しさを伝え舞台鑑賞まで誘う。
「初めてのオイリュトミー」「踊りと言葉」「踊りと音楽」
講師:笠井瑞丈、上村なおか、浅見裕子
日時:8月5日(金)19時30分〜22時30分
料金:3,300円

『アーカーシャのうた〜鯨井巖 著「一学徒兵の北部沖縄戦回想録」〜』

太平洋戦争末期、北部沖縄戦線を戦った学徒兵が遺した回想録。著者の孫がその身体を通して踊り、語り部とアンサンブルの歌声と共に物語をたどる。戦争は、ひとの記憶が残る間は過去完了の他人事ではなく現在進行形で繋がり受け継がれる。そしてそれは、言葉=物語が語り継がれることは人の体=生命がつなげられている証拠であり、希望であることを示す物語。

新演出
初演は2019年だが、「戦争」と「生命」の繋がりという本作のテーマは、世界が新たな戦争に突入している今こそ考えるべき切実な内容である。 2022年の緊迫した現在の世界状況において、「歴史に学ぶ」という観点からも、今さらにその上演の意味を増した作品であると考える。
他団体とのコラボレーション 
分野の枠組みを横断したダンス、歌、声、映像による総合芸術としての舞台を作る。
❶女声アンサンブルpneumaや混声合唱団Noema Noesisを主宰している堅田優衣が書き下ろした楽曲を、20代〜30代の若いメンバーからなるNoema Noesis ensembleの生の歌声が表現する。全国に散らばる合唱団団員40人から選ばれた10人が出演。
❷定方まことによる生の語り(オイリュトミー)
❸鯨井の妹であり沖縄で三線を学んだ鯨井絵里加による沖縄民謡
❹映画監督・富田真人の映像とのコラボレーション(今回の新演出)
コロナ禍において実際にリアルな体験の機会が失われているなかで、生きた空間体験の重要さをあらためて観客と共に共有する大切な機会になると考える。
鯨井謙太郒(ダンサー・振付家・オイリュトミスト)プロフィール
笠井叡に師事。2010年よりCORVUS名義でのユニット活動。2018年度舞踊批評家協会賞新人賞。令和元年度宮城県芸術選奨舞踊部門新人賞。世田谷美術館美術大学講師。

スタッフ
照明:石関美穂 鈴村淳 川崎陽恵 林憲明(和歌山)
音響:上田道崇 蓮子奈津美 林茎子 (和歌山)
舞台監督:鍋島峻介 蓮子奈津美
配信映像:中島詩織 原綾香 鍋島峻介 秋元麻友子 川崎陽恵
会場整理員:古茂田梨乃 新堀加奈 井口智恵 竹之下たまみ 高橋志帆 田代さつき
企画制作:伊藤孝 鍋島峻介 鈴木加奈子 早川朋子
広報:石関美穂 秋元麻友子
主催:一般社団法人セッションハウス企画室
162-0805 東京都新宿区矢来町158番地 301号
Email : mail@session-house.netTEL : 03-3266-0461
URL : https://session-house.net

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