ケラリーノ・サンドロビッチ自選戯曲集発売!

演劇ニュース

今年劇作家35周年をむかえるケラリーノ・サンドロビッチの初の自選戯曲集が発売された。全2巻で、2008年〜2018年に発表された8編の戯曲を収録する。不条理からウェルメイドの戯曲まで多岐にわたる劇作業の作品世界を俯瞰できる内容だ。

第1巻は、「ナイロン100℃篇」と題し、自身の主宰する劇団ナイロン100℃で上演された5作を収録、第2巻は、「昭和三部作篇」と題して、シアターコクーンで発表された3作を収録している。

本書は、その内容だけでなく、装丁に施された「演出」も独特である。著者の印刷物へのこだわりが細部まで貫かれ、長年熱望したという「コデックス装」が実現、背の印刷、綴じ糸、箔、ビニルカバーなど製本方法までがケラの作品としての個性を強く主張する魅力的な仕上がりとなっている。

 

ケラリーノ・サンドロビッチは、劇作家、演出家の演劇人だけでなく、映画監督、音楽家と様々な顔をもつ。1982年にニューウェイブバンド「有頂天」を結成、85年に「劇団健康」を旗揚げし、演劇活動を始める。99年「フローズン・ビーチ」で岸田國士戯曲賞受賞、他に第66回芸術選奨文 部科学大臣賞、 第24回読売演劇大賞最優秀演出家賞、 第26回読売 演劇大賞最優秀作品賞、2018年紫綬褒章など受賞歴多数。

劇団「ナイロン100℃」だけでなく、KERA MAP、KERA CROSSなど様々なユニットで幅広く活動し、現在日本の演劇シーンを牽引する存在。コロナ禍にあっては、SISカンパニープロデュース「桜の園」、古田新太をタッグを組む「欲望のみ」の上演が中止となったが、現在「演劇のようなもの」を準備中と自陣のツイッターで告知しており、その名称として「PRE AFTER CORONA SHOE」が発表された。また緒川たまきとの新ユニット「ケムリ研究室」の結成も発表され、今後もその活動からは目が離せない。

 

「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集」

(全2巻)早川書店

<収録作品>
「シャープさんフラットさん 」
「2番目、或いは3番目 」
「社長吸血記」
「ちょっと、まってください」
「睾丸」
(以上[ナイロン100℃篇])
「東京月光魔曲」
「黴菌」
「陥没」
(以上[昭和三部作篇])

 

解説:徳永京子[ナイロン100℃篇]/嶋田直哉[昭和三部作篇]
装幀:はらだなおこ 写真:平塚篤史

定価:4,600円+税[ナイロン100℃篇]
3,800円+税[昭和三部作篇]

 

なお、キューブのオンラインショップでは、著者直筆のサイン本を限定販売しています。下記アドレスより。
http://www.e-fanclub.com/cube/webshop/search.asp?search_kwd=%83P%83%89%83%8A%81%5B%83m

 

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