6/29 劇団活動休止中の演劇集団キャラメルボックスの公式Webサイトが開設されたことが発表された。
演劇集団キャラメルボックスは今年で創立35周年を迎える。
1985年早稲田大学の演劇サークル出身の成井豊を中心に旗揚げ。「人が人を想う気持ち」をテーマとし「家族で観られるエンターテイメント演劇」を上演し続け、80年代後半から90年代の演劇シーンを牽引した。代表作は「銀河旋律」「広くてすてきな宇宙じゃないか」「また逢おうと竜馬は言った」「サンタクロースが歌ってくれた」など。上川隆也の出身劇団でもある。初期は成井豊脚本によるファンタジー色の強い作品が劇団の特色だったが、2000年以降は、北村薫、東野圭吾、伊坂幸太郎、辻村深月の小説を舞台化する路線が定着、2015年には筒井康隆の「時をかける少女」を舞台化した。
2019年、経営状態の悪化から活動休止を決断。同年5月の「ナツヤスミ語時点」が最後の上演となっている。最盛期には4万人の動員を誇った劇団の自己破産申請は、演劇界にとって衝撃的なニュースだった。
その劇団の破産のニュースから約一年後、創立35周年の日に、公式Webサイト開設が発表されたことになる。Webサイトのコンテンツとしては、「最新情報」の他に「劇団員」「外部活動」についての情報ページがあり、「今後の活動についてや、劇団員の外部出演情報、過去の上演情報などを発信してまいります」とあり、キャラメルボックスがあくまで「活動休止中」であり、現在も多数の劇団員が所属しており、今後の活動が想定されていることがアピールされた。
「外部活動」のページでは、所属劇団員の坂口理恵、筒井俊作、原田樹里の出演する舞台「トムとディックとハリー」(パルコ・プロデュース)や、成井豊脚本・演出による舞台「かがみの孤独」(原作 辻村深月)の告知があった。
キャラメルボックスで上演された戯曲の無料公開ページもあり、上演許可申請もできるようになっている。
またキャラメルボックスの会報誌であった「ハテナ気象台」のWeb版のページも用意され、特設ページとして、劇団員からのメッセージが公開中。成井豊は「近い将来、必ず活動を再開することを改めてお約束します。」と宣言している。
コロナ禍の中、大きく演劇を取り巻く環境が変動している中で、一度破産に追い込まれた演劇集団キャラメルボックスの活動復活のニュース。いまはまだHPの復活だけではあるが、今後の活動が注目される。
公式Webサイト「Caramelbox and Supporters」 のアドレスは、
なお、成井豊は、キャラメルボックス活動休止後、「成井硝子店」としての演劇活動もしている。https://peraichi.com/landing_pages/view/narui