新国立劇場2020/2021シーズン演劇『キネマの天地』6月10日(木)より上演!!
新国立劇場『キネマの天地』
小川絵梨子、井上ひさし作品初演出!
井上流推理喜劇で極上の笑いを!
日本で親しまれ続けてきた名作をお届けするシリーズ「人を思うちから」第三弾は、映画人
を描いた傑作喜劇『キネマの天地』をおおくりします。
本作は映画『キネマの天地』(1986 年公開、監督山田洋次、井上ひさしも作者の一人とし
て参加)の続編として、井上ひさし自身の書き下ろし・演出で同年、日生劇場にて初演され
ました。
映画出演のために集められた四人の女優達が巻き込まれる、殺人事件をめぐる井上流推理喜
劇。どこまでが真実でどこからが虚構なのか…。笑いをあちこちに散りばめながら、人間を
魅了してやまない「舞台」の世界を描きます。7 名の実力派俳優たちによる演劇賛歌の物語。
小川絵梨子が井上ひさし作品に初めて挑みます。
昭和 10 年、築地東京劇場。
舞台上で準備をしている松竹キネマ蒲田撮影所の助監督・島田健二郎(章平)の前に、娘役で人気沸騰の準幹部女優・田中小春(趣里)、続いてヴァンプ役で人気の幹部女優・滝沢菊江(鈴木 杏)、お母さん物で有名な大幹部待遇の徳川駒子(那須佐代子)、最後に大幹部女優のトップスター立花かず子(高橋惠子)が登場する。いずれも蒲田撮影所所属の、日本映画界を代表する大スター。
超大作の松竹蒲田特作豪華版・喜劇映画『諏訪峠』の打合せに呼ばれてきた四人は、自らを誇示し、鞘当てし合いながら、上演中に突然死した女優の松井チエ子のことを思い出す。そこへ、松井の夫でもある映画監督小倉虎吉郎(千葉哲也)が、『諏訪峠』の代わりに、松井の一周忌記念興行として『豚草物語』の再演を持ち出した。松井殺しの犯人探しが目的の監督は、万年下積み役者の尾上竹之助(佐藤 誓)を刑事役として雇い、稽古中の四人を見張らせる。果たして、この4人の中に犯人はいるのか……。
演出 小川絵梨子からのメッセージ
『キネマの天地』は、私がどうしてもやりたかった作品の一つです。はるか昔になります
が、私が中学生の頃、演劇部で上演しました。部内のオーディションで、小春の役を貰って
本当に嬉しかったことを覚えています。
あれから30年近くがたち、演出家という立場で、大好きな作品を大好きな俳優の方々と
ご一緒できる幸せを噛み締めています。この作品を、このキャストの皆さんとご一緒できる
ことが楽しみでなりません。
「演劇、ありがとう」と、演劇への感謝を込めて、作品作りに向かいたいと思います。
スタッフプロフィール
作:井上ひさし (INOUE Hisashi)
1934年山形生まれ。64年よりNHKテレビ『ひょっこりひょうたん島』の台本を共同執筆。
69年『日本人のへそ』で演劇界デビュー。72年『手鎖心中』の直木賞を始め、数々の文学・
戯曲賞を受賞。81年発表の『吉里吉里人』は日本中に独立国ブームを巻き起こした。小説、
戯曲、エッセーの執筆にとどまらず、社会的発言も多く、その活動は広範囲に及んだ。84年
劇団こまつ座を旗揚げ。新国立劇場には97年の杮落し公演『紙屋町さくらホテル』以降、「東
京裁判三部作」(『夢の裂け目』『夢の泪』『夢の痂』)『箱根強羅ホテル』の五作品を書き下ろ
し、『雨』も上演。『井上ひさし全芝居』(全7巻)に収録の戯曲は70本に及ぶ。2010年逝去。
蔵書をもとに作られた故郷山形県川西町の遅筆堂文庫では、毎年4月に吉里吉里忌を開催し
ている。
演出:小川絵梨子 (OGAWA Eriko)
2004年、ニューヨーク・アクターズスタジオ大学院演出部卒業。06~07年、平成17年度文
化庁新進芸術家海外派遣制度研修生。18年9月より新国立劇場の演劇芸術監督に就任。近年
の演出作品に、『ほんとうのハウンド警部』『作者を探す六人の登場人物』『じゃり』『ART』
『死と乙女』『WILD』『熱帯樹』『出口なし』『マクガワン・トリロジー』『FUN HOME』『The Beauty Queen of Leenane』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『CRIMES OF THE HEART ―心の罪―』『死の舞踏/令嬢ジュリー』『ユビュ王』『夜想曲集』『RED』『スポケーンの左手』など。
新国立劇場では『タージマハルの衛兵』『骨と十字架』『スカイライト』『1984』『マリアの首
-幻に長崎を想う曲-』『星ノ数ホド』『OPUS/作品』の演出のほか、『かもめ』『ウインズロ
ウ・ボーイ』の翻訳も手がける。
高橋惠子(TAKAHASHI Keiko) 立花かず子 役
1970 年、映画『高校生ブルース』で主演デビュー。同年、映画『おさな妻』でゴールデンアロー賞新人賞受賞。以降、映画、ドラマに数多く出演。主な出演作に映画『四月の永い夢』『赤い玉、』『禅 ZEN』『ふみ子の海』『花物語』などがある。97 年『近松心中物語~それは恋~』から舞台への活動の場を広げ、2003 年、『雁の寺』『藪の中』で第 10 回読売演劇大賞優秀女優賞、04 年、『山ほとどきすほしいまま』『藪原検校』『ハムレット』で第 3 回朝日舞台芸術賞秋元松代賞受賞。
【主な舞台】『黄昏』『オリエント急行殺人事件』『サザエさん』『危険な関係』『陥没』『マイ・フェア・レディ』『疑惑』『二都物語』『日本橋』『黴菌』『ザ・キャラクター』『キル』『天保十二年のシェイクスピア』など、新国立劇場では『おどくみ』『マクベス』『新・地獄変』に出演。
1996 年デビュー。2003 年、映画『Returner』で第 26 回日本アカデミー賞新人俳優賞と話題賞をダブル受賞。同年、『奇跡の人』のヘレン・ケラー役で初舞台。ドラマ『花燃ゆ』、映画『花とアリス』などに出演。『軽蔑』で高崎映画祭最優秀主演女優賞、『イニシュマン島のビリー』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』で第 24 回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。『殺意 ストリップショウ』『真夏の夜の夢』にて第 55 回紀伊國屋演劇賞個人賞、第 28 回読売演劇大賞・大賞、最優秀女優賞を受賞。
【主な舞台】『キレイ』『フローズンビーチ』『修道女たち』『欲望という名の電車』『SISTERS』『ムサシ』『海辺のカフカ』『元禄港歌~千年の恋の森~』『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』など。新国立劇場では『マリアの首』『星の数ホド』『るつぼ』に出演。
2011 年にドラマで女優デビュー以降、舞台から映画まで活躍の場を広げている。映画『生きてるだけで、愛。』で第 33 回高崎映画祭最優秀主演女優賞、おおさかシネマフェスティバル 2019 主演女優賞および第 42 回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。近年の出演作に、映画『過ちスクランブル』『勝手にふるえてろ』、ドラマ『ブラックペアン』『僕とシッポと神楽坂』『イノセンス 冤罪弁護士』『私の家政夫ナギサさん』『レッドアイズ 監視捜査班』などがある。
【主な舞台】『ほんとうのハウンド警部』『オレステスとピュラデス』『ハロルドとモード』『わたしの耳』『日本文学シアター Vol.6【坂口安吾】「風博士」』『クラッシャー女中』『マクガワン・トリロジー』『ペール・ギュント』『黒塚家の娘』『陥没』『メトロポリス』など。新国立劇場では『オレステイア』に出演。
青年座研究所を経て青年座劇団員に。2013 年退団。映画やドラマなど幅広く活躍。これまでの主な出演に映画『おとうと』『どすこい!すけひら』、NHK 連続ドラマ小説『花子とアン』『梅ちゃん先生』、ドラマ『透明なゆりかご』などがある。『THAT FACE~その顔』『リチャード三世』で第 47 回紀伊國屋演劇賞個人賞、『リチャード二世』『ミセス・クライン』で第 28 回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。シアター風姿花伝支配人。
【主な舞台】『OSLO』『ミセス・クライン』『アルトゥロ・ウイの興隆』『終夜』『チック』『春のめざめ』『女中たち』『まさに世界の終わり』『The Beauty Queen of Leenane』など。新国立劇場では『リチャード二世』『ヘンリー五世』『ヘンリー四世』『長い墓標の列』『リチャード三世』『ヘンリー六世』『オットーと呼ばれる日本人』『浮標』に出演。
テレビ『麒麟がくる』『精霊の守り人』、映画『HERO』など幅広く活躍。舞台では『insider』『嘘より、甘い』にて第 51 回紀伊國屋演劇賞個人賞、『蝉の詩』『風紋~青のはて 2017』にて第 25 回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。
【主な舞台】『藪原検校』『最貧前線』『ミュージカル生きる』『アンチゴーヌ』『キネマと恋人』『追憶のアリラン』など。新国立劇場では『夢の裂け目』『あわれ彼女は娼婦』『ピグマリオン』『焼肉ドラゴン』(11 年)『下周村─花に嵐のたとえもあるさ─』『十二夜』『その河をこえて、五月』『羅生門』に出演。
東京都出身。2014年に出演した『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』での河村隆役を通し、パワフルな演技に注目が集まる。16年の『Take me out』では、カミングアウトしたゲイのメジャーリーガーという難解な役どころを熱演し好評を博す。以降、舞台を中心に活躍の場を広げている。
【主な舞台】『スーツの男たち』『ピーターパン(17、18年)』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『テイク・ミー・アウト2018』『二十日鼠と人間』『BLUE/ORANGE』『天保十二年のシェイクスピア』など。
演劇企画集団「THE・ガジラ」の旗揚げに参加。第 5 回・第 20 回・第 24 回読売演劇大賞優秀男優賞・第 39 回紀伊國屋演劇賞個人賞など受賞多数。近年では『スラブ・ボーイズ』で第 14 回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。以降、『広い世界のほとりに』、『青』『いま、ここにある武器』でもそれぞれ同賞を受賞するなど、演出家としても高い評価を受ける。
【主な舞台】『男たちの中で』『BLUE/ORANGE』『サメと泳ぐ』『髑髏城の七人~season 月<下弦の月>』など。新国立劇場では『パーマ屋スミレ』『マニラ瑞穂記』『アジア温泉』『焼肉ドラゴン』『カエル』『胎内』『THE OTHER SIDE/線のむこう側』『キーン…或いは狂気と天才…』『新・雨月物語』『カストリ・エレジー』『虹を渡る女』『リア王』に出演、『怒りをこめてふり返れ』の演出を手がけた。
【タイトル】 キネマの天地
【会場】 新国立劇場 小劇場 (京王新線 新宿駅より1駅、「初台駅」中央口直結)
【公演日程】 2021年6月10日(木)~27日(日)
(6月5日[土]・6日[日]プレビュー公演)
【料金(税込)】本公演 A席7,700円 B席3,300円(税込)
プレビュー公演 A席5,500円 B席2,200円(税込)
【一般発売】 5月8日(土)10:00~ ※通常の座席配置での販売を予定しております。
【チケット申し込み・お問い合わせ】
新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス http://pia.jp/nntt/
本公演は新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演いたします。
詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017576.html
* Z席1,650円 Z席(各日10席)は、公演当日朝10:00から、新国立劇場Webボックスオフィスおよびセブン-イレブンの端末操作により全席先着販売いたします。
※先着販売後、残席がある場合は、公演当日の開演2時間前からボックスオフィス窓口でも販売いたします。
※電話予約不可。* 当日学生割引
公演当日残席がある場合、Z席を除く全ての席種について50%割引にて販売。要学生証。電話予約不可。
*新国立劇場では、高齢者割引(65歳以上5%)、
障害者割引(20%)、学生割引(5%)、ジュニア割引(中学生以下20%)など各種の割引サービスをご用意しています。