俳優の上川隆也氏が所属していた劇団キャラメルボックス、運営会社が破産へ

劇団「演劇集団キャラメルボックス」を運営していた、(株)ネビュラプロジェクトが破産。


ネビュラプロジェクトが入居していたビル

 (株)ネビュラプロジェクト(TDB企業コード:984521055、資本金1000万円、東京都中野区中央5-2-1、代表加藤昌史氏)は、5月31日までに債務整理を秋山清人弁護士(東京都千代田区飯田橋4-7-11、山崎・秋山・山下法律事務所、電話03- 3230-1056)ほか2名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1985年(昭和60年)6月に創業、91年(平成3年)2月に法人改組された劇団運営会社。「演劇集団キャラメルボックス」の運営、チケット・グッズ販売、役者マネジメントなどを手がけていた。同劇団にはかつて俳優の上川隆也氏などが所属し、多い時で年間のステージ数は200弱を数え、総観客動員数は12万人を超え、代表作は「サンタクロースが歌ってくれた」「また逢おうと竜馬は言った」などが知られていた。1万7000名内外のサポーターズクラブ会員も抱え、2007年1月期には年売上高約9億3200万円を計上していた。

 しかし、個人消費の低迷を受け、2008年1月期の年売上高は約7億4800万円に落ち込み、最終赤字を計上、債務超過に転落していた。その後も地方公演を中心に観客動員の減少が続き採算は悪化。資金繰りがひっ迫するなか、5月31日をもって劇団の活動を休止することを発表し、動向が注目されていた。

 負債は現在調査中。

演劇業界に衝撃のニュースが届いた。
このニュースのコメント欄にはかなりの数のコメントが寄せられていた。

日本の演劇業界の衰退は思っている以上に進んでいるのではないかと危惧するニュースである。

劇団「演劇集団キャラメルボックス」は、それだけ人気が高く、ファンも多かったと認識されていた。その劇団の破産が示すのは、日本の演劇業界の未来なのかもしれないと思わずにはいられないと考える人の多さがコメントの多さに表れている。

その原因について、様々な人が、様々な立場でこのニュースについて考えていることだと思う。

破綻の原因は出ていくお金と、入ってくるお金のバランスが崩れてしまったからだけである。

入ってくるお金が減る要因は、作品を観にくる人が減ってしまったことに尽きる。劇団の考える観客の数と、実際の観客の数に大きな開きがあったために、
予算やマネージメント、つまりは集客ができていなかったことに対する対策がなされていなかった結果である。

集客が減少した原因はなんだろうか?

・劇場に足を運んで演劇を観るそもそもの人口の減少
・観たいと思ってもらえる作品を提供できない
・観たいと思ってもらえる役者がいない
・マーケットに対するチケット代が高すぎた
・個人消費の冷え込み
・ターゲットの変化に合わせたマーケティング不足

色々と考え出したら、いろんな原因があり、この結果に至ってしまったのだと思う。

ただ、日本には成功している劇団も存続している劇団もある。
そこにはどんな違いがあるのだろうか。それが重要なのだと思う。

演劇の未来を考える一つの大きなニュースであることには変わりなく、現存している劇団が、今後も活動を続けるために、この現実を元に未来を変えていって欲しいと願う。

Stage Worksでは、日本の演劇の未来を考えるプロジェクトの始動準備をしており、来月7月1日には動きだす予定。
二度と、このように残念なことが起きないように、みんなで考えていければと思う。