ドナルカ・パッカーンによる―野田秀樹・作『野獣降臨(のけものきたりて)』― 上演決定

ピーチャム・カンパニーの川口典成が演劇実験場として立ち上げたドナルカ・パッカーンが、

2020 年 7 月 21 日~7 月 26 日、東京都豊島区大塚の劇場・萬劇場(ヨロズゲキジョウ)にて、

野田秀樹 作『野獣降臨(のけものきたりて)』の上演決定しました。

【あらすじ(のような)】

夢の遊眠社が 1987 年にエディンバラ演劇祭で海外上演を行った際の写真集に野田秀樹自身による あらすじが掲載されている。『野獣降臨』という戯曲は非常に複雑に錯綜している作品だが、「これ一回きりのお客様サービス」と書かれたそのあらすじには、この物語が「被差別民族」の物語 であると明白に書かれている。作品を貫流するドラマツルギーは「被差別民族」を描くためのド ラマツルギーだ。「千鳥足(酔っ払い)の弁証法」という言葉に倣えば、『野獣降臨』は「蛇行の ドラマツルギー」ということになる。なぜかといえば、それは「跛行(はこう)」し、「膝行 (し っこう)」するものたちの物語だからだ。

【概要】

夢の遊眠社時代に野田秀樹が第 27 回(1983 年)岸田國士戯曲賞を受賞した『野獣降臨』。 感染症というモチーフを用いて自らが生きている・生きていた証拠を残すために伝説を創り出そ うとするノケモノたちを描いた今作は、現在形で演劇を行い、現在のニッポンを映し出そうと活 動しているドナルカ・パッカーンにとって、新型コロナウイルス禍のなかで上演するにふさわし い演劇だと考えています。 新型コロナウイルスの蔓延により、日本においても世界においても、見過ごされてきた差別意識 が目に見える形で噴出し始めている今、野田秀樹が 40 年近く前に書いた『野獣降臨』は、古代か ら宇宙、宇宙から古代へと時空を移動しながら、現代へとそのまま突き出しています。

【あいさつ】

中学校の図書館でたまたま手に取った野田秀樹氏の初期戯曲『回転人魚』が私の人生を決定づけ ました。実際に演劇活動を始めると野田秀樹氏の演劇活動とはかなり異なるような道に踏み出し ていましたが、今回の新型コロナウイルス禍のなかで演劇を作り出すとしたらどんな戯曲がふさ わしいかと考えあぐねている時にふと『野獣降臨(のけものきたりて)』が頭に浮かびました。 『野獣降臨』は感染症というモチーフを用いて書かれた物語です。古代ギリシアでは「ミメーシ ス」=感染的模倣は非常に重要視されており、それは芸術や演劇において根本的な力のひとつと 認識されていました(そして同時に恐ろしい力・堕落の力とも認識されていたからプラトンは 「詩人追放論」を唱えたのです)。もちろん実際の「感染症」と芸術における「感染」というのは まったくの別物ですが、新型コロナウイルス蔓延の間隙に、こうした敢えてのゴチャマゼを行 い、その似非的・パロディ的創作行為によって現在の状況を考えてみるのも一興ではないでしょ うか。 感染予防対策は稽古場においても劇場においても、業界団体(舞台芸術)のガイドラインに基づ いて万全に実施いたします。万難を排して劇場にお越し下さいとは言えませんが、それぞれのご 判断で劇場に足を運んでいただければと思います。

【場所】

萬(よろず)劇場 東京都豊島区北大塚 2-32-22

 

【新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対策とご案内】

ドナルカ・パッカーンでは稽古場・劇場において、業界団体(舞台芸術)のガイドラインを基に、 新型コロナウイルス感染予防対策に取り組んでおります。 詳しくはホームページをご覧ください。

下記の URLよりホームページをご覧いただけます。 https://donalcapackhan.wordpress.com/2020/06/20/stopcovid19/#more-347

またドナルカ・パッカーンは緊急事態舞台芸術ネットワークに加盟いたしました。

新型コロナウイルスの情報・対策など、ネットワークに加盟することで、情報をつねに更新し、 対応していきます。

【お問い合わせ先】

名称:ドナルカ・パッカーン

担当者:制作・日ヶ久保 香(ひがくぼ かおる)

TEL:090-3538-3989

E-mail:donalca.packhan@gmail.com

 

【演出家・プロフィール】

川口典成(Kawaguchi Norishige) 1984 年、広島県生まれ。

東京大学思想文化学科宗教学宗教史学専修課程、卒業。 同大学院宗教学宗教史学、修了。

ピーチャム・カンパニーの代表・演出として活動。

2011 年『復活』野外公演(脚本:清末浩平) フェスティバル/トーキョー11 公募プログラム参加作品 2012 年『美しい星』三島由紀夫原作 原子力時代の想像力を問う三島由紀夫原作を演劇化

2015 年『対話篇 美しい星』

2012 年上演『美しい星』の哲学問答部分を抜き出した再演 など… 現在ピーチャム・カンパニーは、日本演劇における言語と政治・権力のあり方を見つめ直すため、 演劇上演を無期限に休止。

川口個人として演劇実験場であるドナルカ・パッカーンを立ち上げ、日本における演劇と戦争との蜜月に あった「歓び」を探求し、2017 年 7 月には森本薫の国策放送劇『ますらをの伴』、

2020 年 11 月には『女 の一生』-戦時下の完全初稿版―を上演。

<その他、外部演出>

2015 年『ザ・モニュメント 記念碑』(作:コリーン・ワグナー):演出

2016 年『長靴をはいた牡猫』江戸糸操り人形一糸座(原作:ルートヴィヒ・ティーク):脚本/演出/出演

2018 年『ザ・モニュメント』を東京、大阪、沖縄の3都市にて再演。

2020 年 2 月『おんにょろ盛衰記』江戸糸操り人形一糸座(作:木下順二):演出